パズルと積み木で育つこと
パズルの魅力
パズルや積み木、型はめのおもちゃは今も昔も変わらず人気があります。知育に効果的ということもありますが子供が夢中になって楽しめる成長に欠かせないアイテムですね。
積み木やパズルのようにシンプルなおもちゃは乳児期からでも遊べます。年齢に合ったものを選べば自分で遊ぶということを知るきっかけにもなりますし、挑戦心、発想力、想像力を豊かにしてくれます。

子供たちは遊びながらどんなことを身につけていっているのでしょうか
・どのピースがあてはまるかな?形や色、絵柄のつながりなどじっくり観察する力したり想像する力が身についていきます
・もう少しで完成だ!と集中して取り組む力になります
・こっちの向きかな?ここにはめたいな、と手先を器用に動かすことにつながります
・何度も作っては壊すうちに「これはこの辺だったかな?」と完成後の全体イメージを記憶する力が育っていたり、どの順番で作っていくとうまく作れるかその過程さえも覚えていくことにつながります
・完成した色や形、描かれているものに興味を持つことで遊びながら知識を深めていくことができます

遊びの中にたくさんの学びがあるんですね
ジグソーパズルが得意な子は色彩判別能力・図形認識能力・知覚統合力・空間認識能力が高い傾向があります。そしてパズルを体験していくことでより伸ばされ高まっていくそうです。小さいうちは得意不得意なんて関係なく、みんなで楽しみながら自然とそういった能力が刺激されて育っていくことがうれしいですね。

<生後6か月と2週目の頃>
積み木の魅力
積み木もまた0歳から楽しめるおもちゃです。色や形、大きさも様々で高さや奥行を生かしてより創造的に楽しめます。パズルにも立体的なタイプのものがありますよね。平面のものとは違い難易度がかなり高くなり、大人でも夢中になるようないろんな立体パズルがあります。

同じ立体のつくりであるパズルと積み木。一体何が違うのでしょうか?
まず積み木との大きな違いはパズルには完成図があるということ。好き勝手にピースをはめ込んでも完成しませんからね。どこにどのピースをはめたらどうなるのか…という全体像を想像しながら根気強く取り組む忍耐力が必要になります。
それに対し積み木は自分の発想に任せて好きなように作り上げることができます。
ただしそこには「自然の法則」がルールになっているということがポイントです。
例えば積み上げることが楽しくなって何個も次々に重ねていったとしても、バランスが崩れたら倒れてしまいますし、1つの積み木の上に同じ大きさの積み木を並べて3つ乗せることはできませんよね。
このように自分がやりたいように作っていっても、重心のズレや重力などの自然の法則には逆らえない「バランス」というものがあることを子供たちは遊びながら気づいていっているんです。
それでもなんとかならないものかと子供は夢中になって試し始めます。またダメだった!これならどうかな?と何度も試して「こうやったらうまくいった」「これは無理なのかもしれない」とたくさんのアイデアを生み出し、成功と失敗を繰り返しながら多くのことを学んでいくんです。

積み木ってすごい!
見たものや想像したものを形にするのは最初は簡単ではありません。おままごとで積木を何かに見立てて使うことから始めたり、ひたすら積み重ねたり…子供たちは少しづつ遊びを発展させていきます。そうするうちにだんだんと友達と一緒におうちをつくってみたり、思い描いたものを形にしていくことに挑戦して工夫や創造力をさらに働かせていくんですよ。
スポーツへの応用
平面のパズルにも、立体の積み木にも共通して言えることは全体を俯瞰する力や空間認識力を高めてくれる要素がしっかり詰まっているということ。
競技をするうえで全体を見る、イメージする、動きを見極める能力はとても重要です。
モノや人のバランスや重心を見極めたり、全体を俯瞰する、目標イメージをしっかりもてることができれば、同じ練習、同じ感覚を持った相手と戦うときに一つ抜けた結果を出す武器になります。
私は小学生で柔道をやっていたんですが、組んだ瞬間に相手の重心がどこにあるのか感じることが得意でした。相手のバランスを感じることができるだけで「負ける気がしない」という自信を持つことにもつながっていたと思います。また、その人を見る力は今の仕事にもとても役立っています。

モノが倒れてこないように立てかけるような時でも発揮されます(笑)
相手の動きや自分のフォーム、味方のポジションから攻撃パターンを考えるといった能力、自分の動きの分析やいい動きを生み出す工夫や発見ができるというのは競技においてとても力になります。
その基礎となる「見る」「感じる」力は自然の法則のルールのもと繰り返す創意工夫によって刺激され育っていくので、積み木やパズルでお子さんとたくさん遊んであげてくださいね。
大人がほんの少し導いてあげるだけで子供たちは遊びの中からより多くの経験の蓄積を次に生かせる能力にしていくことができます。ちょっとした声掛けやお題を出すことで子供たちの創造性に火をつけてあげてください。
積み重ねてきた練習で身につけた感覚や技術の記憶を引き出すこともスポーツにおいては大切なスキルです。そういった考え方の基盤もパズルや積み木によって育てることができますよ。

実験や工夫、発想を繰り返していくことができるパズルと積み木はスポーツで生かせるアタマと感覚を伸ばしてくれる魅力的な遊びです
自分の経験に基づくこれらの能力の基本が身についていると、高めたい何かと出会ったときに自分を支えてくれる力に必ずなってくれます。
おすすめのパズルと積み木

乳児期から遊べるものをいくつか紹介しますね
ティッシュをつまんで引き出すようになったり、小さなおもちゃやボールが手に取れるようになったら始めていくチャンス。さらにいろんな動きにつなげるためにパズルや積み木に挑戦してみましょう。
もちろん買わなくても紙コップに絵をかいて、重ねたり積み上げたり、並べてみるような遊びから始めるのもいいですね。私は紙に絵をかいて4つに切ってパズルにして遊んだりもしました。
初めてのパズルはつまみがついたこのタイプがおすすめ!
動物のピースをめくると、下には同じ絵が描かれているとヒントになっていいですよ。
最初はつまんで持つことができるだけでも◎
動物の名前も教えてあげられますね。

型はめならこんなのはいかがですか?
中に入ったブロックを自分で取り出せることに気づくと楽しさが増えて大喜びです。

積み木は長く遊べるけれど、まずは自分でもお片付けができる小さいセットもいいですね。

昔ながらのこのセットはやっぱり遊びやすい!

まとめ
どんなに身体感覚がよくても、運動感覚が育っても、現代のハイレベルな競技では通用しないことも。相手を見る、感じる力。全体を俯瞰してよりよく動く能力、イメージを実現できる創意工夫の発想力を積極的に刺激しておきたいですね。
コメント